アトピー性皮膚炎でのスキンケア~入浴~

アトピーでのスキンケアの基本は清潔と保湿

アトピー性皮膚炎の治療は、外用薬や内服薬を使用する「薬物療法」、アレルギー要因を取り除く「生活環境整備」、肌を清潔にしてしっかり保湿する「スキンケア」の3つをバランスよく行います。スキンケアは、食事や睡眠と同じように生活の一部として、取り組んでいきましょう。

肌を清潔に保つことで、アトピー性皮膚炎が改善しやすくなる
アトピー性皮膚炎の肌は、乾燥してバリア機能が低下している状態にあります。細菌やウィルスなどの外的要因はもちろん、自分自身の汗さえ刺激となり、かゆみや炎症を引き起こしてしまいます。特に黄色ブドウ球菌は、どこにでもいる「身近な菌」ですが、肌についたままにしてしまうと増殖し、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させることがわかっています。

汗に含まれる「抗菌ペプチド」がこの黄色ブドウ球菌を殺菌する働きを担っていますが、皮膚に炎症があると、抗菌ペプチドの生産力が低下して、さらに皮膚の炎症が進む悪循環になります。この悪循環を断ち切るためには、入浴で汚れを丁寧に落とし、清潔な状態を保つことが大切です。

汗をかいたらできるだけ早く入浴
本来、汗は「体温調節作用」、「皮膚の保湿作用」、「抗菌ペプチドによる感染防止作用」など、健康を維持するために重要な役割を果たしています。肌にとってメリットのある汗ですが、アトピー性皮膚炎の方は、汗が上手くかけなかったり、汗の量が少なかったりする傾向があると言われています。「汗はかゆみが増すから」と汗をかかないようにするよりも、積極的に汗をかいてアトピー性皮膚炎に負けない、「悪化しにくい肌」を育てることが大切です。

ですが、せっかくかいた汗も、そのまま放置してしまうと、肌への刺激となりかゆみなどの症状を引き起こしてしまいます。できるだけ早いタイミングで入浴して、肌を清潔な状態に戻すようにしましょう。出先などで入浴するのが難しい場合は、ぬれたおしぼりなどで汗を優しく拭きとるだけでも効果があります。ただし、刺激や肌へのダメージにもなりますので、ゴシゴシ拭き取るのは避けましょう。

毎日1度は入浴する
どこにも出かけていなくても、汗をかいたり、代謝したりと、意外と体は汚れているものです。肌を清潔な状態に保つためにも、毎日1度は入浴するようにしましょう。特に、夏場は汗をかきやすい時期になりますので、こまめにシャワー浴をするのもおすすめです。その際は、毎回石けんを使うと必要な皮脂まで取りすぎてしまいますので、シャワーで汗を流すだけにとどめるようにしましょう。

湯船につかることで得られるメリット
シャワーでも汚れは落とせますが、石けん成分が落としきれなかったり、丁寧に汚れを落とそうとして、水圧による刺激でかゆみが増してしまったりすることがあります。体を洗う前に湯船につかれば、肌が柔らかくなって汚れが落ちやすくなりますし、体を洗った後につかれば、体に残った石けん成分を落とすことができます。

また、湯船につかることで疲労回復やリラックス効果を得ることができます。肌が乾燥する原因にもなりますので長湯は禁物ですが、ぬるめのお湯に10分程度つかるのは効果的です。シャワーや湯船の温度は、38度から40度程度のぬるめのお湯に設定しましょう。

入浴時に注意したい入浴方法とは

肌のためにも、丁寧に行いたい「入浴」ですが、誤った方法で行うとかえってかゆみが増したり、炎症がひどくなったりすることがあります。入浴時のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

たっぷりの泡でやさしく手で洗う
肌を清潔に保ちたいからといって、ゴシゴシ洗うのは禁物です。こすれる刺激や肌へダメージにならないよう、優しく洗うようにしましょう。洗う際には、石けんやボディソープをそのまま肌につけるのではなく、たっぷりの泡で洗うのがポイントです。泡立てネットを使ったり、ペットボトルに液体石けんを入れて振って泡立てたりすると、ふっくらとしたきめ細かい泡にすることができます。泡立てる時間を短縮したいときには、泡で出てくるポンプ式の石けんを使うのもおすすめです。

ナイロン製のタオルやスポンジなどは、肌を傷つける原因にもなりますので、洗う際には柔らかいガーゼや手のひらで洗うようにしましょう。手のひらで洗えば、細かいところまで丁寧に洗えますし、洗う強さも調整しやすくなります。

洗浄剤が体に残らないよう、丁寧に流す
石けんなどの成分が肌に残っていると刺激になり、肌のバリア機能が低下してアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。すすぎ残しがないように、しっかりと洗い流すようにしましょう。シャワーだと刺激が強く感じるときには、洗面器などにお湯をためて優しくかけ湯するのもおすすめです。

シャンプーでは頭皮や髪はもちろん、耳の後ろや生え際、首筋などにもシャンプーの成分が残りがちですので、念入りにすすぐようにしましょう。また、効果的に石けんの成分を落とすためにも、頭→顔→体の順番で洗っていくとすすぎ残しを防ぐことができます。

アトピー肌には入浴剤は良くない?!
「入浴剤は良くないのでは?」と心配になるもしれませんが、刺激が少なく保湿成分の入った入浴剤を、入浴後の保湿をサポートしてくれるツールとして活用している方もいらっしゃいます。入浴剤を使う場合は、できるだけ無添加・低刺激のものを選ぶと良いでしょう。

洗い方のポイントとは

体を洗うときはしわを伸ばして丁寧に
忙しいときなど、洗い方が雑になってしまいがちですが、アトピー性皮膚炎の肌の状態を回復させるためには、「丁寧に洗うこと」が大切です。肌のしわはしっかりと伸ばして、くまなく洗うことがポイントです。しわは、体を動かすことで伸ばしていきます。関節部はもちろん、わきの下は「バンザイ」、お尻は「腰を曲げておじき」、腰は「前かがみ」などの動きをすることで、しわを伸ばしながら洗ってきます。

洗い残しが多くなる、首・ひじ・ひざ・手
首やひじ・ひざなどの関節部分は、特にしわが多い箇所ですので、丁寧に洗ったつもりでも汚れが残っていたり、石けんなどの成分が残っていたりしがちです。洗う箇所に合わせて、しわがきちんと伸びるように、関節を曲げたり伸ばしたりしながら洗っていきましょう。

顔も石けんを使って丁寧に
小さな子どもの場合、石けんを使った洗顔を嫌がることもあるかもしれませんが、肌を清潔に保つためには欠かせません。目にしみにくいものをつかったり、泡がくずれないようにもっちりとしたきめの細かい泡を使ったりして、「洗顔嫌い」にならないように工夫して顔を洗いましょう。

目の周りやまぶたも、泡を使って丁寧にやさしく洗います。先におでこや頬などを洗ってから、最後に目の周りやまぶたを洗えば、目に石けんが入るリスクを下げられるのでおすすめです。おでこや口の周りは、しわを丁寧に伸ばして洗い、耳や耳の裏、耳たぶも指でつまんで洗うようにしましょう。

ステロイドなどの外用薬が肌に残ったままにならないように
薬物療法でステロイドなどを使用している場合、その成分が残ったままでは新しく塗ってもその効果が出にくいと言われています。効果が出にくいとステロイドの強さや量、回数などが増えてしまうことにもなりかねませんので、外用薬を使用している際には、丁寧に洗い流すようにしましょう。

シャンプーや石けんはどんなものが良い?
アトピー性皮膚炎の肌にとって、刺激があるものはできるだけ避ける方が無難です。洗浄力の強いものではなく、無添加や無香料、界面活性剤の含有量が少ないものなど、低刺激のものを使うようにしましょう。

パッケージの裏には、どのような成分が入っているか表示されています。防腐剤や酸化防止剤、合成界面活性剤などの添加物によって、アトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。また、リンスやコンディショナーなどは、どうしても髪に成分が残りがちですので、悪化するようなら使用を中止しましょう

こんなところにも注意が必要

かゆみが強いときには、湯船に長時間つからない
炎症が強く、かゆみがひどいときには、湯船に長時間つかることでさらに悪化することがあります。かゆみが強いときには、お湯の温度を下げるのはもちろん、湯船につかる時間をいつもより短めにすると良いでしょう。あまりにひどいときは、医師に相談するようにしましょう。

入浴後は、タオルでやさしく包み込むように水分を拭く
ゴシゴシ洗いと同様に、入浴後にタオルでゴシゴシ拭くと肌への刺激やダメージになります。吸水性が高い柔らかいタオルを使って、包み込むようにして優しく拭くのがおすすめです。また、脱衣所ではなく湿度の高い浴室内で拭くことで、入浴後の乾燥を少しでも防ぐことができます。

ドライヤーの使用は短めに
意外と見落としがちなのが、髪の毛の乾かし方です。ドライヤーを長時間あてると、頭皮はもちろん、顔や首などの乾燥につながりますので、しっかりとタオルドライをして、ドライヤーで乾かす時間をできるだけ短くするようにしましょう。温度を低めにしたり、冷風で乾かしたりするのもおすすめです。

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